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山崎順理 ブルークレイジークローラー

自分の書いた日記や文章や絵などをのせる。

真剣師 小池重明

真剣師 小池重明
 小池重明という名を聞いたことがあるだろうか、団鬼六著、真剣師小池重明を私は何度も読んだ。
団鬼六の本といってもこれは官能小説ではない、将棋のギャンブラーの話、実在した人物の話、
ノンフィクションの話である。
飲む買う打つにのめり込み、人妻との駆け落ち3回、借金まみれになって、
新聞ざたにもなったが将棋だけはめっぽう強かった男の破滅の物語である。
 真剣師というのは、賭け将棋を指して生活している者たちで500円でも100万円でも賭け将棋をする男たちのこと、
はっきり言って非合法な商売、裏稼業である。小池重明は伝説の真剣師でアマ名人を2回取り、
大阪で最強と呼ばれた加賀との日本一の真剣師をきめる勝負、通天閣の死闘を制し、日本一の真剣師となる。
さらに当時のプロ、A級の森八段との平手の勝負に勝ってしまう、
その当時、森八段は小池との勝負のすぐあとタイトルを取るほど強いプロ棋士。
トップ プロ、プロ棋士八段とアマチュアでは力の差、棋力の差がありすぎてまず勝てない勝負にならない、
それをハンディ無しの平手で、内容も伝説の逆転勝ちで勝ってしまう男、小池重明、これは将棋界で問題になり、
衝撃が走った。 史上最強の名人、大山康晴十五世名人との角落ち戦、
角落ち戦とはいえ大山名人にそう勝てるものではないのだが、小池は短手順で快勝してしまう。
 プロ入りの話が出たが、小池は素行が悪すぎた、飲む買う打つざんまいで
借金まみれ、定職にはつかず、大山名人との角落ち戦の対局も前の晩、
酒場でトラブルを起こし警察の留置場からかけつけたという小池、下手をすると将棋の棋譜が新聞にのるのではなく、
小池の事件がのるかもしれない。
 プロになれるか、なれないかの時、ある新聞が大きく小池の借金のことを取り上げて、大きく報じてしまい、
小池は東京を離れ身を隠し行方不明、プロ入りの話は立ち消えとなった。数年後、肉体労働をしていた小池は、
このまま朽ち果てるのがこわくなり、官能小説の大家で将棋愛好家でもある団鬼六氏の前にあらわれる。
指南役として雇ってくれないかと願い出るのだが、団はいろいろ困った末、果たし合いを提案し、もちかける。
団が用意したアマ強豪との果たし合いを行い勝てば賞金十万円、やぶれたる場合、鬼六屋敷、出入り禁止というもの。
団は小池も将棋で敗れれば小池も本望だろうと、美学をもって舞台を演出したものだった。
何年もまともに将棋らしい将棋を指していない小池はアマ強豪に勝てないだろうと団はふんだのだ・・が、
小池は名だたるアマ強豪たちを撃破して勝ってしまう。
こののち、しばらくして、小池は職を得て新しい生活をしようとしたのだが、
いままでの酒浸りの生活、不摂生がたたり、体を壊し44歳の若さで死んでしまう。
 小池重明のアマ強豪としてその経歴もさることながら、
エピソード、スキャンダルをも含め小池重明の物語は伝説である。
その将棋の強さと数々のエピソードは、ある時代の闇であり光なのだ。
 小池重明の物語は、もがきつづけた男の、天才将棋バカの、
あやしい光をはなつ魅力的な破滅の物語として語り継がれていくだろう。

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